ガラスコンパウンドがけを失敗し私の愛車、RX-8のガラスが傷だらけになってしまいました。
幸いサイドガラスとリヤガラスだけの被害だったので運転に支障はありませんでしたが、あまりにも傷が酷くて見るに堪えない状態です。
なんとかするべく自分でガラスを研磨してみたのでその方法をお伝えします。
ガラス傷の状態
光が乱反射しているのがおわかりいただけると思います。
間違えてガラスにヤスリ掛けちゃいましたみたいな感じの傷です。
こんな感じの傷がリヤサイドガラスとリヤガラス全面に広がっていて、日光に照らされると目も当てられません…
殆どの傷は爪が入りませんが、いくつか深い傷ははっきりと爪が入るくらいの深さになってしまっていました。
業者に頼んだ場合の料金
数社で見積りをお願いしたところ3面の研磨で大体50,000円-80,000円くらいでした。
RX-8のリヤガラスが湾曲していることと、傷が深い場所があることが理由で通常のウロコ取りなどの研磨と比べて2倍位の費用がかかります。
ボディ全面の鏡面研磨より高いのでこの価格には流石に驚きました。
ガラスの研磨には腕が必要なようで通常のボディコーティング屋さんや板金屋さんでは対応していません。
熱で割れたり、歪んだりするリスクが高く専門性が必要な作業なので相場が高いようです。
さすがにこの費用は出したくなかったので私は思い切ってDIYでやってみることにしました。
ガラス研磨に必要なもの
酸化セリウム
カーショップにはいろいろなガラス研磨剤が置いてありますが、爪が入るような傷がある場合には酸化セリウムを使用する以外の方法はないようです。
これをガラスにつけて2分くらいすると化学反応でガラスが溶けていくらしいです。
つまり、ガラス研磨はガラスを削っているのではなく溶かして傷を消しています。
酸化セリウムにも色々種類があり白っぽいものほど高品質で茶色っぽいものほど品質が低いようです。
車のガラス研磨にそこまでの品質は必要ないですがある程度白っぽいものを選ぶと間違いないと思います。
私はガラス研磨関連大手のアクアウイング社から出ているものを購入しました。
ポリッシャー
ワイパー傷くらいでしたら手磨きで十分ですが、リヤガラス1面など広範囲になる場合はほぼ必須です。
大体手作業の1/4くらいの時間で研磨が完了しますし、腕が棒のようにならずに済みます。
ダブルアクションだと研磨に時間はかかりますが事故が起きにくいのでDIYでは間違いなくダブルアクションの方がオススメです。
この高儀のポリッシャーはバッテリー式なので電源ケーブルが届かない場所でも問題ありません!
ガラス用ウェルトバフ
ポリッシャーを使用するならガラス研磨用のウェルトバフもあった方がよいです。
ウェルトバフは種類が少ないですし、低品質なものを使用するとガラスが復元不可能になるので値段が高くても品質の高いものを購入した方がよいと思います。
私は酸化セリウムと同じアクアウイング社のバフを購入しました。
マスキングテープ
酸化セリウムはボディやゴムモールに付着することは厳禁なので広範囲をマスキングしておくことをオススメします。
霧吹き
ガラス研磨は水を常に掛けながら水分のある状態で行う必要があります。
適度な水量を維持するのは霧吹きがないと難しいので用意しておいた方がいいです!
酸化セリウムの準備
酸化セリウムは粉なので適正濃度で希釈した水溶液にする必要があります。
内容物
アクアウイング社の酸化セリウムセットはこのような状態で届きますので、手磨きであれば他になにも必要ありません。
酸化セリウム粉をボトルに入れる
付属のティースプーン山盛り10杯をボトルに入れます。
水で希釈
付属のティースプーン山盛り10杯に対して水5mlを入れます。
振る
ボトルをよく振れば酸化セリウムの完成です。
手作業でのガラス研磨手順
1. ガラスを綺麗にする
何はともあれまずはガラスを綺麗にシャンプーで洗いましょう。
2. マスキング
手磨きであれば最低限のマスキングで大丈夫です。
ポリッシャーを使用する場合は結構飛び散るので広範囲のマスキングが必要になります。
3. 手作業で磨く
1回目の研磨
RX-8のリヤサイドガラスは小さくポリッシャーで細かい研磨がしにくいと考えて、手作業で研磨してみました。
最初はガラス撥水剤に弾かれていますが、手作業でも数分で撥水剤は剥がれていきます。
手作業で研磨する場合は20cm四方くらいのサイズで磨いていくのがよいと思います。
これ以上の範囲だと研磨回数が少なくなりすぎて全然効果がでません。
そのため2分以内に研磨を辞めてしまうと1からやり直しになってしまいます。
手作業だと2分間磨き続けるのはかなりキツイですが気合で頑張りましょう…
適度に霧吹きで水分を足しながらひたすら10分くらい研磨しました。
水分量は多くても少なくても研磨力が落ちるようなので注意しながら調節します。
上が研磨前、下が研磨後です。
1回目の研磨(10分)では全然傷が消えませんでした。
結構根気が必要そうですね…
ここからはあまりにも長い格闘が続いたのでハイライトにします。
2回目の研磨
10分追加でやってみました。
少し薄くなってきましたね!
傷だけ集中的に磨くとガラスが歪み取り返しがつかないことになります。
3回目の研磨
これはやけになってもう20分くらい追加で磨いた後です。
かなり傷が薄くなってきたように見えます。
4回目、5回目、6回目の研磨
4回目、5回目、6回目も30分くらいずつ追加で磨きましたが、あまり変化がありません。
既に腕は限界を迎えていて霧吹きを持つのすら辛いです…
7回目の研磨
7回目の研磨で殆ど傷は消えました。
爪がかなり引っかかるような傷は残っていますが線傷が数本レベルまで減ったので私はこれで終了としました。
これでRX-8の小さなリヤサイドガラス半分が終了です。
残りの半分も同じ要領で7回磨き、合計14回の研磨を行いました。
4. 完成(手作業)
上から研磨前、1回研磨後、7回研磨後の写真です。
明らかに傷が減ってますよね!
ガラス磨きは歪むから難しいと言われていましたがまんべんなく磨いたおかげか歪みも全然ありません。
ただ手作業で磨くにはRX-8のリヤサイドガラス1面だけでも14回の研磨が必要となります。(半分ずつしか研磨できないので7回*2回必要)
これだけの範囲を6時間くらいひたすら力を入れて磨きます。
正直腕が限界で翌々日まで響くかなりの筋肉痛になりました。
まとめ
酸化セリウムで磨けば素人でも爪が軽くかかるくらいの傷であれば落とせることがわかりました。
ただし、ガラス1面磨く場合はポリッシャーがほぼ必須と考えたほうがよいくらいの重労働です。
よくある失敗例では傷のある場所を集中的に磨いた結果、ガラスが歪むことらしいです。
重労働なので気持ちはわかりますが常に満遍なく磨き続けることで素人でもそうそう失敗はしないのかなと思います。
と言う訳でワイパー傷や私みたいにガラスコンパウンドでやらかしてしまった人はぜひ自分でガラスを研磨してみて下さい!
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