スバルディーラーで点検のついでにオイル交換を頼んだら、「レプレイアードゼロは終売です。」と突然言われてビックリしました。
スバル車のための、水平対向エンジンのための、スバオタのためのエンジンオイルが突然終売なんて…
途方にくれていると、現在は後継品として「STI Advanced Oil(STIアドバンスドオイル)」が発売されているとのこと。
説明を聞いてもイマイチ違いが分からなかったので、スペックオタクの私が徹底的にオイルの違いを調べてみました。
この記事では、旧製品からの変更点、新登場したSTIアドバンスドオイルのスペック、粘度の選び方について、客観的なデータに基づき詳しく解説します。
レ・プレイアード・ゼロはなぜ販売終了したのか?

レプレイアードゼロはフランスのElf(エルフ)とスバルが共同開発し、水平対向エンジンのためだけに作られた高品質エンジンオイルです。
エンジンオイルの中でもかなり高品質なベースオイルとなる「PAOを100%使用」するという、メーカー指定オイルでは考えられないレベルの製品で、スバルユーザーの中では大人気でした。
こんなにも好評だったオイルがなぜ突然終売してしまったのでしょうか。
高品質なことは乗った瞬間から分かるレベルで、本当に最高なオイルでした。
エンジンが保護されている感じはするけど、抵抗が非常に少なく、本当に滑らかに吹け上がってくれるのです。
一度使ってしまうともうやめられません!
原料価格の高騰によるリブランドが主な理由と考えられる
インフレやロシアウクライナ戦争、イラン戦争によるホルムズ海峡の閉鎖などなど色々な要因が絡んで、今までの価格が維持できなかった可能性があります。
単純な値上げでは許されないレベルの価格高騰が起きていますので、STIの名を冠することで高級品ですと言うことを積極的にアピールしにきたのではないでしょうか。
色々なことをスバル側は発信していますが、後継品の仕様を見ると中身が同じものが大半なので値上げの理由にSTIを使ったと思ってほぼ間違いないでしょう。
後継品は「STIアドバンスドオイル」

レ・プレイアード・ゼロに代わって発売されたエンジンのオイルが「STI Advanced Oil(STIアドバンスドオイル)」です。
事実上の後継品となっており、スバルでグレードアップオイルを選択すると自動的にレプレイアードゼロからSTIアドバンスドオイルに変更されます。
特徴から価格帯まで似たりよったりでぱっと見ではレプレイアードゼロとSTIアドバンスドオイルの違いが分からないレベルです。
と言うわけで、ここからはスペック表を隅々まで読んで見つけた違いを説明していきますよ!
レプレイアードゼロとSTIアドバンスドオイルの違い一覧表
基本性能の比較
| 旧製品名 | 新製品名 | 粘度 | 製造元 | ベースオイル | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| N-TECH 100 PLUS SP | STI Advanced Oil | 0W-16 | MOTUL | VHVI | N-TECH 100 PLUS SPと同等品と考えてよさそうだが、添加剤の配合が一部違うかもしれない |
| レ・プレイアード・ゼロ | STI Advanced Oil | 0W-20 | Elf | PAO 配合 | 製品名が違うだけの同一商品 |
| レ・プレイアード・ゼロ | STI Advanced Oil | 0W-30 | Elf | PAO 100%からPAO含有にグレードダウン | 配合を変更したが、同等パフォーマンスとのこと(PAO100%でなくなったので実質グレードダウン) |
| STI Performance Oil | STI Advanced Oil | 5W-40 | MOTUL | VHVI | STI Performance Oilが合流したと考えて間違いなさそう |
動粘度などの詳細比較
| 粘度グレード | 新旧 | 製品名 | 動粘度(40℃) | 動粘度(100℃) | 粘度指数 | HTHS粘度(150℃) | スペック変化の考察 |
| 0W-16 | 旧 | N-TECH 100 PLUS SP | 約36.0 | 約7.1 | 約160 | 約2.3 | 微妙に数値が違うので添加剤の配合が少しだけ違いそう |
| 新 | STI Advanced Oil | 約36.5 | 約7.2 | 約162 | 約2.4 | ||
| 0W-20 | 旧 | レ・プレイアード・ゼロ | 約43.5 | 約8.5 | 約170 | 約2.6 | 公式サイトにも記載されている通り全く同じ製品と思ってよさそう。 |
| 新 | STI Advanced Oil | 約43.5 | 約8.5 | 約170 | 約2.6 | ||
| 0W-30 | 旧 | レ・プレイアード・ゼロ | 約51.5 | 約10.3 | 約178 | 約3.1 | 公式案内通り添加剤の配合が変わっていそう。 |
| 新 | STI Advanced Oil | 約53.0 | 約10.1 | 約173 | 約3.0 | ベースオイルもPAO100%から配合にグレードダウンしているので、一番影響を受けるのが0W-30かもしれない。 | |
| 5W-40 | 旧 | STI Performance Oil | 81.8 | 13.6 | 174 | 3.7 | パフォーマンスオイルの販売終了と同時期にアドバンスドオイルが販売 |
| 新 | STI Advanced Oil | 81.8 | 13.6 | 174 | 3.7 | 状況と指数的に、全く同じ製品と思って良さそう。 |
各スペック指標の意味
- 動粘度(40℃):始動時・街乗りの軽さ エンジン始動時や油温が低い状態でのオイルの硬さです。この数値が低いほど、エンジンの始動性が良く燃費に貢献します(0W-16が圧倒的に低いです)。
- 動粘度(100℃):通常走行時の安定性 油温が100℃に達した通常走行時の硬さです。通常負荷におけるエンジン保護性能とレスポンスのバランスを示します。
- 粘度指数:熱に対する劣化耐性 温度変化に対して、どれだけ粘度(硬さ)を維持できるかを示すスコアです。数値が高いほど、冷間時と温間時での性能差が少なく、高品質なベースオイルが使われている証拠になります。粘度が維持できないと油膜切れを起こしてエンジンにダメージを与えるので大切な指標です。
- HTHS粘度(150℃):高負荷・高温時の絶対的な防御力 ターボ車やスポーツ走行において最も重要な指標です。 シリンダー内などの油温150℃という極限状態・高せん断状態において、油膜がどれだけ破断せずに耐えられるか(実効性能)を示します。基本的に5W-40などの硬いオイルが得意としているところで、WRX STIなどターボのスポーツカーで必要とされる指標です。
基本的には分散していた既存製品を1ラインに統一しただけ
本当に細かい部分の情報は公開されていないので推察の域は出ませんが、性能値やベースオイルを見ている限りは色んな名前で分散していたオイルをSTIアドバンスドオイルとして1ラインに統一しただけのようです。
全体的に1Lあたり1,000円前後の値上げも同時に発生
ディーラーごとに微妙に値段が違いますので参考程度にとらえてほしいですが、各オイルともに概ね1Lあたり1,000円程度の値上げも起きています。
間にSTIが入ったからなのか、単純に原価が上がったのか、事情はわかりませんがオイル交換をしたら全体で5,000円くらい高くなると考えて間違いありません。
唯一大きい影響はレプレイアードゼロ 0W-30のベースオイルがグレードダウンしたこと
レプレイアードゼロ最大の特徴であったPAO100%のベースオイル表記がPAO含有に変更されています。
PAO含有と言う表記はレプレイアードゼロの0W-20で用いられていた表現で、こちらはもともとPAO100%ではありませんでした。
つまり、STIアドバンスドオイル 0W-30になったタイミングでPAO100%を諦めた可能性が高いです。
しかも、ベースオイルの原価が抑えられたにも関わらず、販売価格は1Lあたり1,000円以上の値上げです!
とは言え優秀なことには変わりない
以前の商品より悪くなったとは言え、性能自体はまだまだ1級品でこれ以上のものを見つけるのは難しいくらいの品質を誇っています。
他の商品を検討したくはなりますが、性能だけで見るとこれを超える製品は中々市販されていません!
私のWRX S4 VBHではSTIアドバンスドオイル 0W-30の交換でオイル代金が13,000円くらいでした。
これに工賃、エレメント交換を入れると19,000円!
オイル交換だけでこの値段はなかなかですよね…
安くするなら20L缶がオススメ
こんな感じでSTIアドバンスドオイルは20L缶での販売があります。
ディーラーだと1回の交換、4Lで大体13,000円かかることを考えると、
20L缶にすれば1回あたり1,500円くらいの節約になります!
必需品が節約できるので意外と大きいですよ。
【基礎知識】ベースオイルの種類と特徴比較
ベースオイルがPAOだのVHVIだの言っていましたが、一体何が違うの?と言う人向けにエンジンオイルのベースオイル比較表も作りました。
| ベースオイル分類 | 一般的な呼称 | 製法と特徴 | メリット | デメリット | 価格帯 (4L換算) |
| グループⅡ | 鉱物油 | 原油を蒸留・精製したもの。 化学合成油ができる前の標準品。 不純物が残りやすい。 | 価格が非常に安いので、こまめに交換しやすい。 産地によっては鉱物油でも超高品質の場合あり | 熱に弱く酸化しやすい。劣化が早い。 | 2,000円〜4,000円 |
| グループⅢ | VHVI (高度精製鉱物油) | 鉱物油を分解し、不純物を極限まで減らしたもの。 化学合成油を名乗れるがベースは鉱物油なので注意が必要。 | コストと性能のバランスが良い。現在主流のオイル。 | 過酷な高温・高負荷環境では油膜が切れやすい。 | 4,000円〜8,000円 |
| グループⅣ | PAO (ポリアルファオレフィン) | 正真正銘の100%化学合成油。 | 圧倒的な熱耐性と酸化安定性。不純物が理論上はゼロ。 | 製造コストが高い。 | 8,000円〜15,000円 |
| グループⅤ | エステル | 航空機用にも使われるオイルの最高峰。 金属に吸着する性質を持つので油膜切れを起こしにくい。 | 究極の潤滑性能と油膜保持力。レスポンスは最高。 | 水分に弱く加水分解(劣化)しやすい。 その上超高価。 | 20,000円〜30,000円 |
エンジンオイルの品質を決める「ベースオイル」と「添加剤」の関係
エンジンオイルは、「スープ(ベースオイル)」と「秘伝のスパイス(添加剤)」の組み合わせで出来ています。
オートバックス等に市販の添加剤がたくさんありますが、そもそもオイルメーカーは必死に配合を考えて最強の添加剤を入れているのです。
高価格帯のオイルは本当にメーカーが考えた最強の添加剤が最初から入っているので、変に市販の添加剤を入れることで性能劣化する可能性があります。
注意が必要ですね。
1. すべての土台となる「ベースオイル」
エンジンオイルの成分の約70〜80%を占めるのが、PAOやエステル、VHVIといった「ベースオイル」です。
オイルの基本性能(熱への強さ、油膜の保持力、寿命)は、このベースオイルの品質で大枠が決まります。
高級オイルが優れている最大の理由は、この「土台となるスープ」自体が、不純物のない100%化学合成油(PAO等)で作られている点にあります。
オイルは鉱物油や化学合成油、完全化学合成油などの名前で販売されていることが多いと思いますが、これはベースオイルの品質を指しています。
グループ3のVHVIは鉱物油が原料ですが、化学合成油として売られています。
鉱物油より化学合成油の方が印象が良いので、名乗っていいのであれば原料が鉱物油だろうが化学合成油を名乗って販売したいですからね。
そうすると、より高品質なPAOやエステルと区別がつかなくなってしまうので、これらは完全化学合成油みたいな名前で売られていることが多いです。
この表現は本当に紛らわしいです…
2. オイルの性格を決め、エンジンを守る「添加剤」
ベースオイルだけでは、現代の過酷なエンジン環境を乗り切ることはできません。
残りの20〜30%を占めるのが、各メーカーが独自の研究でブレンドした「添加剤」です。
添加剤は決して「おまけ」ではありません。以下のような、エンジンを物理的に守るための必須機能を持っています。
- 清浄分散剤: エンジン内部の汚れ(スラッジ)を包み込み、一箇所に固まらないようにする。
- 酸化防止剤: ガソリンの燃焼によって発生する「酸」を中和し、金属の腐食を防ぐ。
- 粘度指数向上剤: 高温になってもオイルがシャバシャバになりすぎないように硬さを保つ。
- 摩擦調整剤: 金属同士の滑りを極限まで良くし、燃費とレスポンスを向上させる。
「市販のオイル添加剤」はおすすめしない
カー用品店には魅力的なパッケージの「オイル添加剤」が多数並んでいますが、基本的に高価格帯の高品質なエンジンオイルには、市販の添加剤は入れるべきではないと思っています。
その理由は「ケミカルバランスの崩壊(添加剤のバッティング)」にあります。
メーカーが販売しているエンジンオイルは、その時点で「自社が考えうる最高のバランスで調合された、完成品の添加剤パッケージ」が溶け込んでいます。
そこに素人が無闇に市販の添加剤を投入すると、成分同士が喧嘩をして本来の清浄作用が失われたり、最悪の場合は化学反応を起こして成分が分離し、かえって性能ダウンやエンジンダメージに繋がるリスクすらあるのです。
5,000kmでオイル交換が必要と言われている理由
オイル交換後5,000kmくらい走ると、エンジンの音がうるさくなったり、フィーリングが悪くなった気がする。
と感じたことはありませんか?
実はこれ、ベースオイルそのものが完全にダメになったわけではなく、「添加剤の寿命」が尽き始めているサインの可能性が高いです。
ベースオイル自体の寿命は非常に長いので、5,000Kmくらいでヘタれることはほとんどありません。
特に5,000Kmごとに交換したほうがいい車は
・ターボ車や大排気量車
・0W-16など添加剤に頼る部分が多いエコカー用のオイルを使っている車
はこまめにエンジンオイルを交換することをオススメします。
特に、以下2つの添加剤は特に寿命が短いと言われています。
- ポリマー(粘度指数向上剤)の切断: エンジン内の激しい動きにより、オイルの硬さを保っていた成分が物理的にちぎられ、油膜が薄くなります。
- 中和剤(塩基価)の枯渇: 汚れや酸を中和する成分には「限界容量」があります。ゴミ箱が一杯になると、それ以上汚れを吸収できなくなります。
例外はたくさんありますが、WRX S4 VBHですと3,000Km走ったくらいでフィーリングが悪くなってくるので、5,000Kmに1回の交換は理にかなっていると思います。
小排気量、自然吸気エンジンの車はもう少し寿命が延びると思います。
まとめ STIアドバンスドオイルはほとんど既存ラインナップのリブランド
最後少し話は脱線しましたが、STIアドバンスドオイルはいろいろな名前で散らばっていたスバル純正オイルをSTIシリーズにまとめたものと言うことが分かりました!
製品を1ラインに統合してわかりやすくすることと、昨今の価格高騰を反映しての値上げが主な理由と言い切って良いでしょう。
0W-30だけは明確にベースオイルが安価なものになっているので、気になる人は他社のオイルを検討しても良いと思います。
と言うわけで、スバルのエンジンオイルをまとめてみたの回でした!
スバル専門チューナーのオススメオイルはこちら
MOTULの最高峰エンジンオイル「300V」をスバル専門のチューナーではオススメしていました。
レースを散々走っている経験からこれが最適だと言うことに行き着いたようです。
こちらはSTIアドバンスドオイルよりもベースオイルが高品質で、最高グレードのエステルを採用しています。
お金じゃなくて最高のフィーリングとエンジン保護性能が欲しい!と思っている人にとっては最高の選択肢になると思いますので、ぜひ検討してみてくださいね。

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